■ 体験方法

1.引き合う力が縦と横にピンと張った状態の床面に一歩足を踏み入れて下さい。

2.この6mx6mの不安定な平面上をただ、立つ、あるは、移動することでインスタレーションに参加できます。体験者は「一つの観測点」となり、他の体験者が入った時には「複数の移動する観測点」が空間の力を複雑に変容させていきます。同時体験人数の制限はありません。

3.平面の床には細胞のような40cm×40cmのグリッド225枚が敷かれ、その内部には、ON/OFFではなく、位置・重さ・速度の変位を瞬間的に連続して検出できる独自に開発した自作のセンサーが埋め込まれています。

4.体験者の力と上空からのGPSの力と空間で変容していく力との関係性が光、音、映像による空間を作り出します。

5.これらの空間の変容は、重力にまつわる物理計算の理論値から得られる動きをプログラムにし、作品構造と複数の移動する体験者達によって、力のダイナミズムが変わっていきます。解析を行うソフトウェアは、GPSと体験者間の力、速度、位置によってそれぞれの座標系をリアルタイムに生成、修正し、幾何学を再構成します。そして、座標のゆがみを作り出します。

6.YCAMのビッグウエーブ屋根に取り付けたGPS衛星の位置計測器によって、作品空間にリアルタイムにこの上空にあるGPSの電波の感度と位置、動く方向が画面に現れます。GPSの力も同時に運動している相対的場となり、インスタレーション空間は外部環境を取り込んでいます。

7.体験者が居なくなると、空間は、元のピンと糸が貼った状態になりますが、背景ではGPSなどの各力がリアルタイムで動いています。このように作品構造が変化するプロセスのループが連続したデータとなって延々と続いていきます。

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© Gravity and Resistance project 2004